- 営業ノルマがキツい…
- 営業以外の仕事ってないかな?
- 経理ってどんな仕事してるの?
営業ノルマのプレッシャーに悩んでいませんか?
こんな上司からのプレッシャーはハンパないですよね。
営業がシンドいと感じるのであれば、まずは営業以外の仕事を知ることが大切です。
選択肢がたくさんあれば状況に応じて最善の道を選ぶことができるからです。
その中でも経理は専門スキルが必要なため付加価値の高い職種といえます。
経理の仕事内容や必要なスキルを知ることで部署異動や転職といった選択肢も視野に入ってくるでしょう。
- 経理の全体的な仕事内容がわかる
- 経理に必要なスキルがわかる
- 経理が自分に合っているか判断できる
経理とはお金の動きを管理する仕事
経理とは、『会社のお金の動きを管理する仕事』です。
この『お金』の意味は『現預金』だけの意味ではありません。
経理の仕事の本質はお金を通じて経営を管理することにあります。
経理の仕事は大きく分けて5つ
経理の仕事は種類が多いです。
ここでは大企業、中小企業に関係なくどこにでもある経理の仕事を紹介していきます。
経理の仕事①:現預金の出納管理
現預金の数字を把握することは会社経営において1番重要です。
実は会社が倒産する原因は赤字だからではありません。
ほとんどのケースが資金不足が原因です。
①ー1:預金管理
資金不足を防ぐためには毎月いくら入ってきて、いくら出ていくのかを正確に把握する必要があります。
- 月初の預金残高を確認
- 月中の収入と支出を予測 ※方法は後述します
- 月末の預金残高を確認
月中のお金の細かい動きを予想して預金管理を行います。
①ー2:現金管理
現金は社員の立替精算や物品の購入時に使用します。
毎日夕方頃に実際の現金残高と帳簿上の現金残高が一致しているかチェックします。
※帳簿は会計システム上の現金残高のことです。
差異があれば原因を見つけます。
差異が1円であろうと金額に関係なくピッタリ合うまで終わりません。
経理の仕事②:経費精算
経費精算とは、社員の立替金や社内の備品購入にかかった費用を精算することです。
社内の日用品の購入、社員の出張などにかかる交通費や宿泊費などが該当します。
経費精算はチェック項目が多い
経費精算の申請があっても経費として認められないものがあります。
申請する金額によって回覧ルートが変わったりと注意すべきポイントは経費処理だけに限りません。
時代は「紙の申請」から「電子申請」へ
今まで主流だった紙の申請書から、回覧や申請書がなくなる心配のない電子申請へと変わりつつあります。
そういったシステムにも柔軟に対応できるスキルが必要です。
経理の仕事③:売掛金&買掛金で収支を管理する
経理にとって売掛金と買掛金の管理は重要です。
- 売掛金とは、得意先からお金をもらう権利のこと
- 買掛金とは、仕入先にお金を支払う義務のこと
売掛金と買掛金の管理ができていない会社は収支コントロールができません。
毎月いくら入金があり、いくら支払いをしなければいけないのかがわからない状態だからです。
取引先ごとの支払条件で収支を予測する
取引先の支払条件をもとに収支を予測します。
取引先ごとに支払条件が違うのでいつ入金や支払いがあるかを正確に把握する必要があるからです。
支払条件とは以下のようなものです。
- 売掛金:20日締翌月10日振込
- 買掛金:月末締翌月末振込
このような取引条件をもとに月中に金額を当てはめていき収支管理を行います。
経理の仕事④:月次決算
月次決算とは、1ヶ月間のすべての数字を決算書に集計することです。
決算書とは、現預金や在庫、売上や経費、利益などをまとめた成績表です。
勤務先の会社によって提出期限が決められており必要な数字を正確に反映しなくてはなりません。 ※締日から期限は長くても1週間程度
例えば4月の月次決算の場合、盛り込む数字とは4月中(4月1日〜4月30日まで)に発生したものです。
5月の第1週目にすべて集計して経営陣へ報告します。
また会社によっては四半期決算(3ヶ月ごと)や中間決算を行う会社もあります。
経理の仕事⑤:年次決算
年次決算とは、1年間の経営成績と財務状況をまとめる作業です。
年に1度のイベントで間違いは許されません。なぜなら株主や取引先などの利害関係者に対して発表するものだからです。
通常の月次決算とは違い、年度末決算時のみ発生する処理があるので注意が必要です。
※上場企業と非上場企業では処理項目が異なる。
- 未処理がないか徹底的にチェック
- 決算書の作成
- 納税額の計算
- 申告・納税
ざっくり言えばこのような流れで年次決算は進んでいきます。
期末日の2ヶ月以内に決算関係の書類を作成し利害関係者に報告する必要があります。
会社の大きさで変わる経理業務の違い
大企業と中小企業では経理の業務範囲が変わってきます。
会社の企業別に業務内容を解説していきます。
大企業の場合
大企業の業務はタテ割りが多いです。
タテ割りというのは一つの分野に対して担当者を配置すること。
例えば売掛金、買掛金、在庫管理、経費精算とあれば業務ごとに担当者を振り分ける専門職スタイルを指します。
その分野のスペシャリストになる可能性は大いにありますが、その他の分野への理解に時間がかかる傾向にあります。
中小企業の場合
中小企業の場合は少人数で仕事を進めることが多いです。
経理業務に線引きがほとんどないため経理の仕事を全体的に身につけることが可能です。
ただし中小企業にはなくて証券取引所に上場している大企業にしか経験できない仕事も存在します。
例えば、上場企業はステークホルダー(利害関係者)に対して決算情報を開示することが義務付けられています。
この決算情報を開示する業務が代表的な中小企業にはない仕事です。
スタートアップ企業の場合
スタートアップ企業とは、ざっくり言えば「新しいビジネスで急成長する会社」です。
企業の代表者や営業担当者が経理の仕事も行なっています。
- お金がない
- 人がいない
- 自分の仕事+経理業務
そのため経理業務をメインで仕事にしたい場合は入社後にギャップを感じる可能性がありますので要注意です。
子会社・関連企業は親会社への報告が必要
あなたの会社が子会社もしくは関連会社の場合、親会社への業績報告が必要です。
どの程度のペースで報告が必要かは親会社によります。
- 週単位
- 月単位
- 年単位
基本的には月単位で報告しなければならないと考えておけば問題ないです。
業績報告に対して親会社から質問や確認の連絡が届くことがあり、迅速に対応する必要があります。
4つの経理必須スキル
経理には必要なスキルがあります。
経理を目指す人にとって、これから紹介するスキルを身につけないと業務に大きく支障がでてしまう可能性があります。
経理スキル①:正確さ
経理に求められるスキルの代表格は正確さです。
例えば、仕入先への支払い金額を間違えると自分の会社だけでなく相手先にも迷惑がかかってしまいます。
正確性が求められるため業務の二重チェックなんて当たり前です。
このスキルは人によって向き不向きが現れる部分ですね。
経理スキル②:スケジューリング
経理はスケジューリングが非常に重要です。
業務のスケジューリングがうまくできないと…
- 業務の優先順位がわからなくなる
- 優先順位がわからないので中途半端になる
- 納期が迫ってアセる
- アセりから大きなミスにつながる
他の業務に追われて仕入先への支払いモレなんて絶対あってはいけません。
経理は業務の納期も決まっていることが多いです。
営業にも取引先との納期が存在しますが実は経理にも納期があります。
月初は通常業務と月次決算が重なるため忙しさがピークになります。
この納期が遅れないようにスケジューリングすることが重要です。
経理スキル③:スピード
経理はスピードも求められます。
1ヶ月間のスケジュールがだいたい決まっていて次から次へと仕事が押し寄せてくるため一つの業務に長い時間はかけられません。
ぶっちゃけこのバランス感覚が難しいですが、これができないと苦労するのも事実です。
経理スキル④:コミュニケーション能力
経理はモクモクと自分一人で業務をしているイメージがあるかもしれません。
実は全然そんなことはなくガッツリ他部署の人と連携する場面も多い部署です。
経理は税務監査や社内の監査対応で資料の提出を求められることがあったときに他部署の人に依頼してスピーディに対応してもらうことが必要になります。
例えば営業しか持っていないようなもの
- 見積書
- 注文書
- 個別契約書
用意してもらいたいときに瞬時に対応してくれるかは連携力や日頃の人間関係がうまくできているかで変わってきます。
こんな関係だと非常にまずいです。
経理の3つのやりがいと魅力
ざっと経理の業務内容や必要なスキルなどを解説してきました。
ここでは経理のやりがいと魅力についてお伝えします。
やりがい①:経営に直結する仕事
経理がまとめている数字は経営に直結するものです。
月次決算や年次決算の数字をもとに経営陣は未来の経営戦略をたてます。
新入社員が入社してすぐに経営に関わる仕事ができるかといえば難しいです。
経理は経営と直結するものなのでやりがいある仕事です。
やりがい②:どこでも使える専門スキルが身につく
毎日仕事をこなしていくと少しずつ専門的なスキルが身につきます。
逆に言えばスキルが身につかないと帳票の見方や用語の意味がわかりません。
この身につけたスキルはどこの会社でも使えます。
業種が違っても会計の考え方は世界共通であり必要なくなることはありません。
例えば、決算書の数字の読み方がわかってくると会社のどの部分に問題があり改善すべきポイントがなにかが見えるようになります。
このようにどこに行っても使えてツブしがきくということです。
こんな専門スキルが身につくのが経理の魅力の一つです。
やりがい③:経理の知識は家計に生かせる
経理の知識は会社内だけでなく家計でも力を発揮します。
毎月の生活で『必要な支出』と『そうでない支出』を見分けられるようになるからです。
なににお金を使うのか、いくら貯蓄に回すことができるかなど数字で把握できるようになるため精度が高い家計コントロールが可能です。
必要な支出:食費、日用品、家賃
そうでない支出:時計、高級車
そうでない支出が悪いと言っているわけではありません。
支出には優先順位をつけることが大切です。
経理の知識が身につくことで本当に必要なものだけ数字で把握できるようになり家計管理がしやすくなります。
勘違いしやすい会計・経理・財務の違いとは?
会計・経理・財務の仕事をごちゃまぜにしている人がいますがそれぞれ意味が違います。
実は仕事内容にかなり違いがあるので簡単に見ていきましょう。
仕事の違い①:会計とはお金・モノの動きの管理全般
会計とは、お金やモノの動きに関する管理全般のことをいいます。
今後の事業活動をどういった方向に進んいけばいいのかを考えるための指標となるのが会計です。
会計には以下の2種類があります。
管理会計:社内管理向けに売上や利益、財務状態を示すもの
財務会計:社外向け(銀行や株主)に財務状況を示すもの
会計の中でも【誰に向けたものなのか】で違いがあることに注目しましょう。
仕事の違い②:経理とはお金の動きを正確に記録すること
経理とは、お金の動きを帳簿に記録する仕事です。
会計資料をまとめるために経理があります。
処理内容が適切で事実に基づいた処理がされているのかが大切です。
不明点は他部署に確認するなどうまく連携ができるようなスキルも求められます。
仕事の違い③:財務とは資金調達、投資活動の管理全般
財務とは、銀行や企業からの資金調達、成長企業への投資など会社の未来の事業活動を管理する業務です。
要はお金の流れを管理するものを財務といいます。
資金は会社が事業活動を続けていくうえで1番重要なものでかなり責任のあるポジションだと言えます。
経理の締日を理解する
経理にとって「締日」は重要です。
締日を基準に月々のスケジュールを立てているからです。
請求書発行や月次決算、年次決算などが締日で動く代表格になります。
締日とは期間の区切りのこと
経理の締日とは「期間の区切り」で処理を行うことです。
例えば月末締めであれば4/1~4/30までの期間のことで20日締であれば4/21~5/20までの1ヶ月間のことを指します。
請求書を発行する時は、ほとんどの場合1ヶ月単位で区切ります。
経理ではよく「締め」という言葉がめちゃくちゃ出てきますのでおぼえておきましょう。
経理に役立つ3つの資格
誤解を恐れずいえば経理の仕事は資格がなくてもある程度できます。
でも深く経理の仕事がしたいと考えるなら知識がなくてはいけません。
そうならないために経理に役立つ資格を3つに厳選しました。
日商簿記検定
経理の代表格と言える資格です。
仕訳の基礎や決算書の作成までの一連の流れが理解できる3級は必須でしょう。
3級の範囲では商業簿記だけですが2級では追加で工業簿記が入ってきます。
工業簿記の考え方はモノの原価を正確に計算するための考え方です。
経理としてバリバリ働きたいのであれば2級取得までは目指したいです。
ビジネス会計検定
簿記が決算書を作成する知識に対して、ビジネス会計検定は決算書の分析をするための知識です。
認知度としては簿記の方がありますがこれからは、
- 決算書作成までは簿記
- 決算書分析はビジネス会計検定
と並び代表される資格になるかもしれません。
経理・財務スキル検定
試験内容は経理の実務的な内容となっています。
点数もTOEICのようなスコア形式になっているので「〇〇点以上で合格!」というモノではありません。
内容は【資産、決算、税務、資金】の4分野で構成されています。
経理として実戦的なスキルがどの程度なのか確かめるのに役立ちます。
アカウンタンツライブラリーで経理実務を学ぶ
これから経理を目指したいけど
- 簿記の勉強を始めていない
- 簿記の勉強を始めたばかり
といった経理初心者を
- 日常業務を一人でこなせるようになる
- 月次決算を締めることができるようなる
と段階的に実務レベルをあげていくことができる学習プランとなっています。
- 無料プラン
- 有料プラン(980円/月)
経理の実務別に細かく動画解説されています。
現在は登録月の24日までであれば有料プランが初回無料です。
経理に向いている人の7つの特徴
経理は向き不向きがハッキリ別れる仕事です。
不向きな人にとっては1日経理をしただけで『こんな仕事耐えられない』と感じるかもしれません。
次に具体例を挙げます。
あなたが経理に向いているかいくつ当てはまるかを確認してみましょう。
- 1日中社内にいても苦にならない
- 他部署との連携力がある
- 細かい違和感に気がつける
- 口がかたい
- スケジュールをたてるのが上手い
- ミスった時にあわてない
- 数字アレルギーではない
上記の特徴にたくさん当てはまるタイプが「経理に向いている」と言えるでしょう。
経理未経験者が抱える不安
不安を感じる多くの原因は「自分が知らない仕事」だからです。
だから新しいことにチャレンジするときには不安を感じます。
サッカーをしたことがない人がいきなり試合に出ろって言われたのを想像してみてください。
他の選手に迷惑がかからないか、自分のせいで負けてしまうんじゃないかって不安になりますよね。
だから自分が知らないことで不安に感じることは普通なんです。
いつの間にかなんで悩んでたんだっけ?っていう感覚にすらなるでしょう。
それではっ!